私はきっと、明日もあなたに逢いにいく
第四章 あの日の約束。
小さい頃は良かった。
息が詰まるような、目を閉じていたいような汚いものは一切として感知できなかったから。
だけど、そんな恵まれた年齢はすぐに終わりを迎えた。
自分で自分の感情を理解できるようになると世界の汚れはすぐさまその姿を浮き彫りにし始めた。
父親が母親に優しくするのは自分が後ろめたいからだ。
贈り物をするのは他所で他の女にあげた罪滅ぼしだ。
週末になると家に帰ってこなくなるのは家よりも居心地のいい場所を見つけたからだ。
私の誕生日を忘れてしまうのはもっと優先されるべき記念日があるからだ。