全て、忘れて。
第1章 出逢い
「…もう、いや…」
行く当てもなく、ただただ森の中を前に進む。
携帯も、鞄も学校に置いてきてしまった。
…でも、あんな学校なんて戻りたくない。
"おは…"
"ねねね、琴美の家って両親事故で死んだんだって!!"
"それ…言わないって…"
"うそ、学校でも居場所ないのについに家でも居場所失ったの!?"
"まじウケるんですけど!!"
"え…家でもって…?"
"え、まさかあんたさぁ…うちらのこと友達だと思ってる!?"
"え…?"
"嘘、ほんとに思ってたの!?その顔!"
"あのね、私たちがあんたみたいなのと友達になるわけないでしょ?自意識過剰もいい加減にしたら?"
"ちょっと、言いすぎ~!!"
"だって本当のことじゃん!!"
キャハハ、と頭の中でまわる甲高い笑い声。
…嘘でしょ、皆。
だって、普通に仲良くしてくれたじゃん。
普通に話してたじゃん。
普通に…
"ま、そういうことだから。さっさと出てけよ。"
ドンッと押された肩。
それは、あまり強い力ではなかったけど。
それよりも、心がジクジク痛かった。
大事な人に裏切られた。
友達だと思ってたのに。
これからも、笑い合えると思ってたのに。
そう思っていたのは、私だけだった。
両親の傷を埋めてくれるのは、友達だと思ってたのに。
もっともっと深い傷を心に彫られた私は、もう限界だった。
…お父さんとお母さんと同じところに行きたい。
いったん考えると、もうその子とで頭がいっぱいになって。
私は、上履きのまま学校を飛び出した。
行く当てもなく、ただただ森の中を前に進む。
携帯も、鞄も学校に置いてきてしまった。
…でも、あんな学校なんて戻りたくない。
"おは…"
"ねねね、琴美の家って両親事故で死んだんだって!!"
"それ…言わないって…"
"うそ、学校でも居場所ないのについに家でも居場所失ったの!?"
"まじウケるんですけど!!"
"え…家でもって…?"
"え、まさかあんたさぁ…うちらのこと友達だと思ってる!?"
"え…?"
"嘘、ほんとに思ってたの!?その顔!"
"あのね、私たちがあんたみたいなのと友達になるわけないでしょ?自意識過剰もいい加減にしたら?"
"ちょっと、言いすぎ~!!"
"だって本当のことじゃん!!"
キャハハ、と頭の中でまわる甲高い笑い声。
…嘘でしょ、皆。
だって、普通に仲良くしてくれたじゃん。
普通に話してたじゃん。
普通に…
"ま、そういうことだから。さっさと出てけよ。"
ドンッと押された肩。
それは、あまり強い力ではなかったけど。
それよりも、心がジクジク痛かった。
大事な人に裏切られた。
友達だと思ってたのに。
これからも、笑い合えると思ってたのに。
そう思っていたのは、私だけだった。
両親の傷を埋めてくれるのは、友達だと思ってたのに。
もっともっと深い傷を心に彫られた私は、もう限界だった。
…お父さんとお母さんと同じところに行きたい。
いったん考えると、もうその子とで頭がいっぱいになって。
私は、上履きのまま学校を飛び出した。