魔法使いの巫女少女Ⅰ
「じゃあね」
「また明日」
そう言って皆は帰っていった。
未来は荷物をまとめて教室から出た。
向かった先は屋上だった。
「……光の中で……何度も……」
なんという曲だったかは覚えてない。
でも屋上に来ては未来はこの歌を口ずさんでいた。
しばらく歌を口ずさんでいた未来は、時計を見た。
時刻は17時30分ー。下校の時刻になっていた。
「そろそろ帰ろっと」
そう言って未来は教室に戻った。
教室の前まで行くと未来は不思議に思った。誰もいないはずなのに電気がついていたからだ。
(誰か消し忘れて行ったのかな…?)
そう思って扉をあけて未来は止まった。
そこには慎が1人でいた。
慎は未来の姿を見ると不思議そうに言った。
「帰ったんじゃなかったの?」
「うん、屋上に行ってただけ」
「………そっか…」
未来は自分の席までいって鞄を持って教室から出ようとしたときー
「ちょっと待って、未来。」
慎が腕を引っ張った。
未来は振り返っていった。
「なに?」
「この前はごめん」
「ううん、こっちこそごめんね」
2人はお互いに頭を下げて謝った。
そして教室から出ようとしたときー
(……!!)
嫌な悪寒がはしった。
2人は辺りを見回した。が、誰もいない。
「気のせい…?」
「わからない、けど…」
今まででないくらい恐怖感があった。
「……帰ろっか、未来。」
「うん、そうだね。」
そう言って2人は学園を後にした。