魔法使いの巫女少女Ⅰ
「……未来」
食事の手を止め、父が話しかけてきた。
「なに?お父様?」
「また、町の子達と遊んでいたのか?」
「うん。」
未来がそう答えると母も手を止め話してきた。
「町の子達と遊んではいけないでしょ?」
「どうして?」
「貴方は普通じゃないんだから。」
「みんなと変わらないよ。」
「いまはそうでもこの先変わってくるわ。」
「でも…!」
「いい加減にしなさい!未来!」
父がテーブルを思い切り叩いていった。
「あの子達とお前とでは身分も能力も違うんだ!」
母が手を叩いて執事を呼んだ。
「アーサー!アーサーはいないの?」
「ここに。」
アーサーは虚空から突如現れた。
母はそれを見て命じた。
「明日から貴方は未来を見張りなさい!
  もし、未来が町の子達と遊んでいたら
  すぐに家に連れ戻しなさい!」
「かしこまりました。」
「そんなのいや!」
そう言うと未来は自分の部屋へ行った。
「未来!待ちなさい!」
父と母の言葉を無視して未来は部屋の扉に鍵をかけ、小さくうずくまった。
「みんなと遊びたい…助けて…誰か助けてよ…!」
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