魔法使いの巫女少女Ⅰ
「アーサー!はやくはやく!」
未来は笑顔で後ろを向いて言った。
アーサーはその姿を苦笑いをうかべながら追いかけていた。
未来は走りながら慎たちのことを考えていた。
(ここの森を抜けたところに慎たちがいる…!)
未来が屋敷から出たのは3ヶ月ぶりだった。
だからこそ、慎たちに会えることを楽しみにしていた。
「…………より生まれし精霊よ…。」
楓の声が少しずつ聞こえるようになってきた。
未来は全力で走って森を抜けた。
「できた!次はオリガの番だよ。」
「できるかな…?」
「やってみないとわかんないよ。」
「よしっ!火より生まれし精霊よ…いまここに姿を示せ!」
オリガが唱えると小さなひのこが現れた。
楓がオリガに笑顔で言った。
「出来てるよ!オリガスゴい!」
「えへへー」
「次は洸の番!」
「わかった。」
洸は深呼吸をして唱えた。
「風より生まれし精霊よ…いまここに姿を示せ!」
すると小さなそよ風が吹いた。
「洸スゴい!」
みんなが洸を褒めているのを未来は物影に隠れながら見ていた。
楓は慎のほうを向いていった。
「次は慎の番だよ!」
「……………。」
「慎!」
楓は慎に怒った顔をしたが、慎はずっと上の空だった。
洸は慎の目の前で何度か手を振っていった。
「慎?大丈夫か?」
「………えっ、あっ、うん…。」
「どうかしたの?」
「ううん、なんでもないよ…。」
「慎、未来のことを考えていたの?」
「うん、心配だし…。やっぱり会いに行きたい。」
「でも警備の人たちに見つかるよ?」
「それでも会いたいんだもん!」
慎はそう叫ぶように言った。
未来はそれを聞いて涙が出そうになり、慌てて拭った。
そのとき、風が吹いて未来は小さな悲鳴をあげた。
「………きゃっ…。」
『だれ?』
慎たちは声のしたほうを向いて言った。
未来は草むらから出てみんなに笑いかけた。
「みんな、久しぶりだね。」
「未来……なの?」
「うん、そうだよ。楓。」
「でも城から出られなかったんじゃないの?」
「アーサーが気分転換に出してくれたんだよ、オリガ。」
「じゃあ、また城から出られなくなるのか?」
「わからない、ごめんね洸。」
「未来……。」
「どうかしたの?慎?」
「どうかしたの?…じゃないよ!心配したんだから!」
「………そっか……ごめんね。」
「ううん、いいよ。」
慎は笑顔で未来に手を伸ばしていった。
「一緒に遊ぼっ!」
「うん!」
未来は笑顔で後ろを向いて言った。
アーサーはその姿を苦笑いをうかべながら追いかけていた。
未来は走りながら慎たちのことを考えていた。
(ここの森を抜けたところに慎たちがいる…!)
未来が屋敷から出たのは3ヶ月ぶりだった。
だからこそ、慎たちに会えることを楽しみにしていた。
「…………より生まれし精霊よ…。」
楓の声が少しずつ聞こえるようになってきた。
未来は全力で走って森を抜けた。
「できた!次はオリガの番だよ。」
「できるかな…?」
「やってみないとわかんないよ。」
「よしっ!火より生まれし精霊よ…いまここに姿を示せ!」
オリガが唱えると小さなひのこが現れた。
楓がオリガに笑顔で言った。
「出来てるよ!オリガスゴい!」
「えへへー」
「次は洸の番!」
「わかった。」
洸は深呼吸をして唱えた。
「風より生まれし精霊よ…いまここに姿を示せ!」
すると小さなそよ風が吹いた。
「洸スゴい!」
みんなが洸を褒めているのを未来は物影に隠れながら見ていた。
楓は慎のほうを向いていった。
「次は慎の番だよ!」
「……………。」
「慎!」
楓は慎に怒った顔をしたが、慎はずっと上の空だった。
洸は慎の目の前で何度か手を振っていった。
「慎?大丈夫か?」
「………えっ、あっ、うん…。」
「どうかしたの?」
「ううん、なんでもないよ…。」
「慎、未来のことを考えていたの?」
「うん、心配だし…。やっぱり会いに行きたい。」
「でも警備の人たちに見つかるよ?」
「それでも会いたいんだもん!」
慎はそう叫ぶように言った。
未来はそれを聞いて涙が出そうになり、慌てて拭った。
そのとき、風が吹いて未来は小さな悲鳴をあげた。
「………きゃっ…。」
『だれ?』
慎たちは声のしたほうを向いて言った。
未来は草むらから出てみんなに笑いかけた。
「みんな、久しぶりだね。」
「未来……なの?」
「うん、そうだよ。楓。」
「でも城から出られなかったんじゃないの?」
「アーサーが気分転換に出してくれたんだよ、オリガ。」
「じゃあ、また城から出られなくなるのか?」
「わからない、ごめんね洸。」
「未来……。」
「どうかしたの?慎?」
「どうかしたの?…じゃないよ!心配したんだから!」
「………そっか……ごめんね。」
「ううん、いいよ。」
慎は笑顔で未来に手を伸ばしていった。
「一緒に遊ぼっ!」
「うん!」