魔法使いの巫女少女Ⅰ
アーサーは遠くから未来のことを見ていた。
静かに未来の成長を見ていた。
(……………。)
3ヶ月、未来は一切魔法を使っていなかった。
それなのに、全く魔力が落ちているようには見えなかった。
それどころか魔力は高まっているように思えた。
(未来を外に出すときを間違えたかもしれない。)
アーサーは自分の考えが間違っていたことにため息をついた。
姫様がこれ以上あいつらに接触すれば、いつか陛下たちの願いを壊してしまうかもしれない。
やっぱり今日で姫様を外に出さないでおこう。
そして今日の出来事もあいつらの記憶も無くさせた方がよいだろう……。
陛下にご相談をして決めるとしよう。
そう考えをまとめてアーサーは空を見た。
もう夕暮れが近づいていた。
(時間がたつのは早いな……。)
そう思いながらアーサーは未来の方へ向かった。
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