魔法使いの巫女少女Ⅰ
「未来、もう帰らないといけない時間?」
「まだ大丈夫だよ!」
そう未来が答えたときだった。
「姫様、お迎えに参りました。」
アーサーがそういって現れた。
未来はアーサーにむくれた顔を見せ、そっぽを向いて言った。
「やだ、まだ遊ぶ!」
「いけません。」
「遊ぶったら遊ぶの!」
「聞き分けてください!」
「まだ明るいから遊ぶの!」
「ですがもう夕暮れですよ、また明日遊べますよ。」
「………アーサー。」
「なんでしょう?」
「ウソつきだね。」
「なんのことですか?」
「私がなにも気づいてないと?」
「姫様のおっしゃっていることがわかりませんね。」
「もう慎たちと会わせないようにするんでしょ?」
「…………。」
アーサーが黙ったことで未来はイエスだと思い、後ろを向いていった。
「アーサー、帰りましょう。」
「良いのですか?」
「例えまだ時間があったとしても意味のないものでしょ?」
「未来?」
慎たちが心配そうにこっちを見ていた。
未来は慎に笑顔で答えた。
「ごめんね、もう帰るね。」
「また明日会えるの?」
「多分もう会えないと思う。」
未来は少し寂しそうに笑っていった。
「でも慎たちのこと忘れないから。」
そう未来が言うと、アーサーと共に消えた。
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