魔法使いの巫女少女Ⅰ
外からの光が一切入らないように設計された部屋。
この部屋にある光は、小さなろうそくの明かりだけ。
中央には、手術室のベッドがあるのみ。
本当に、全く何もない部屋。ここを地下倉庫というのだから、まともな考えがないのだと未来はそっと思った。
部屋にいるのは、未来と、陛下。そしてもう一人、アーサーがいた。
アーサーは、いつも通り未来から目をそらした。
陛下はいつも通り、未来を道具のように見ていた。
(本当に、つまらないな……。)
心底、未来は思った。
だが、そんな思いは知らんというように、陛下は口を開いた。
「始めるぞ。」
未来は全くしゃべらずにベッドに寝転がった。
それを見て、陛下は未来の心臓の位置に槍を構えた。
それを見て、アーサーは目を瞑り、耳を塞いだ。
未来は目を瞑って、深呼吸をした。
(……本当にこれでいいの……?)
「誰……!」
未来はそう叫んだ。だが、それを不思議そうに見ていたのは陛下だった。
「今頃、怖気ついたのか?」
「いえ、何でもありません。」
そういったと同時に、未来は眼と瞑った。
そして、槍が未来の心臓を貫いた。
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