魔法使いの巫女少女Ⅰ
朝の光が差し掛かって、未来は眼を覚ました。
正直、眠ったような感覚はなかった。
大方、泣き疲れて眠ったのだろう。
普段から泣くことのなかった未来にとっては不思議な感じだった。
おなかもすくことがなかったので、適当な服を選んで外に出た。
とりあえず、誰かいないか探したかった。
未来はきっと誰かいるだろうと思って城を後にした。


クスクス・・・。
未来がいなくなった城の中から誰かの笑い声。
まるで、未来を小馬鹿にしたような笑い。
「誰もいるわけないでしょ・・・。可愛い可愛い私の主となる御方・・・。」
そう、未来に聞こえるかどうか分からない声で言い、またクスクスと笑った。
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