魔法使いの巫女少女Ⅰ
(誰か、誰か、誰かー!)
未来は一つ一つの家を見て回った。
みんな初めからいなかったように何もなかった。
それでも、きっと誰かはいると、そう信じて探した。
信じていたかった。
だけど、誰もいなかった。
町にも森にも誰もなにもいなかった。
「どうして……?」
そう呟いたときだった。
「これがあなたの願いだったからだよ。」
「誰!?」
振り返ると知らない少女がいた。
歳は18歳程度だろうか?未来よりもずっと年上の少女だった。
ただ、正直に思ったのは嬉しさではなく恐怖だった。
いつからいたのかわからなかったことではなく、なぜ未来が気づけなかったのかと言うことに……。
少女はそんな反応を楽しそうに見ながら答えた。
「私のこと、そんなに不思議?」
「あなたは……誰……?」
「ひどいなー。ずっと一緒にいたでしょ?わが主。」
「ずっと……一緒にいた?」
「そう。あなたがこの世界に転生するはるか昔からいたでしょ?」
「何を言っているの?」
「あら?もしかして記憶がないの?」
本当に何を言っているのか、全く分からない。
私が転生?何のこと?
だって、私はこの世界に生まれて死ぬはずの……巫女だったはず……。
「まぁ、いいや。とりあえず、ちゃんと願いを叶えたし。」
「願い?誰の?」
「あなたのだけど?覚えてないの?」
いったい何を言っているのだろう。
私の願い?そんなものなかったはず。
「あなたは願ったの。この世界から全てをなくす事をー。」
「何を言っているの?わたし、そんな願いしていない!」
「いまから、10年以上前に願っているわ。ほかの誰でもない、あなた自身が。」
「10年前……?まさかー!」
「そう、苦痛に耐えられなくなったあなたは、願ったの。全てをなかったことにすることを。」
未来は一つ一つの家を見て回った。
みんな初めからいなかったように何もなかった。
それでも、きっと誰かはいると、そう信じて探した。
信じていたかった。
だけど、誰もいなかった。
町にも森にも誰もなにもいなかった。
「どうして……?」
そう呟いたときだった。
「これがあなたの願いだったからだよ。」
「誰!?」
振り返ると知らない少女がいた。
歳は18歳程度だろうか?未来よりもずっと年上の少女だった。
ただ、正直に思ったのは嬉しさではなく恐怖だった。
いつからいたのかわからなかったことではなく、なぜ未来が気づけなかったのかと言うことに……。
少女はそんな反応を楽しそうに見ながら答えた。
「私のこと、そんなに不思議?」
「あなたは……誰……?」
「ひどいなー。ずっと一緒にいたでしょ?わが主。」
「ずっと……一緒にいた?」
「そう。あなたがこの世界に転生するはるか昔からいたでしょ?」
「何を言っているの?」
「あら?もしかして記憶がないの?」
本当に何を言っているのか、全く分からない。
私が転生?何のこと?
だって、私はこの世界に生まれて死ぬはずの……巫女だったはず……。
「まぁ、いいや。とりあえず、ちゃんと願いを叶えたし。」
「願い?誰の?」
「あなたのだけど?覚えてないの?」
いったい何を言っているのだろう。
私の願い?そんなものなかったはず。
「あなたは願ったの。この世界から全てをなくす事をー。」
「何を言っているの?わたし、そんな願いしていない!」
「いまから、10年以上前に願っているわ。ほかの誰でもない、あなた自身が。」
「10年前……?まさかー!」
「そう、苦痛に耐えられなくなったあなたは、願ったの。全てをなかったことにすることを。」