魔法使いの巫女少女Ⅰ
楓様が話してくれたことを聴いて、私の中の何かが壊れていくのが分かる。
楓様が、顔を伏せて続けた。
「この後のことは知らないの。」
楓様が申し訳なさそうに言った。
「この後のことは、私たちは知らないの……。ごめんなさいね。」
「いいえ、ありがとうございました。楓様。」
「でも、あなたは今後も狙われてしまう。私たちが守るから……。」
そんなことしなくても大丈夫。
私はそう、声に出していうことができなかった。
どうしてかは、よく分からないけれどもう悲しむ顔を見たくないからだと思う。
私なんかのためにこんなに傷ついて、本当にごめんね。
私はそう心の中でつぶやいた。
「私、そろそろ行きますね。」
そういって、私は部屋を出た。
神社を出て、王宮内に入り、学園へと進んでいく。
自然と歩幅が大きくなっているが、今は気にしている暇がない。
早く、部屋に戻りたい。
それだけしか、今の私は考えられなかった。
自室に戻り、鍵を閉めてベッドに倒れた。
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