魔法使いの巫女少女Ⅰ
未来が足を踏み入れた先には、驚くべき光景が広がっていた。
「……ねぇ、スキア。」
『何ですか、姫。』
「私夢でも見てるのかしら?」
首をこてんとかしげながら聞く姿は年相応のものだった。
軽口の一つでも叩こうかと考えたが目の前の状況を見てやめた。
『夢ではないと思いますよ。実際私にも見えてるわけですし。』
「あぁ、そっか。あなたたちって幻術きかないんだっけ?」
『よほど、低レベルな者たちならば効きますが、ほとんどのものは効きませんよ。』
「そっか。じゃあ、かなりやばいね。」
そうつぶやいた未来は本当にどうしたものかと考えた。
なにがどうしたかというと、目の前には敵の軍勢がいた。
軽く見積もっても10万人はいそうな感じだった。
つまるところ、一人でも多く自分のもとに集めたかったのだが、始めから全員が集まってるとは思ってもいなかったわけである。
「はじめまして、お姫様。」
一人どうしたものかと考えていた未来の耳に声が届いた。
その声の主を見て不思議に思った。
(若い……。それなのに魔導を極めた人みたいな雰囲気。)
そんな未来の考えなんて知らないというように男は丁寧に礼をしていった。
「私は、ザクロと申します。以後お見知りおきを。単身で乗り込んでこられてさぞ驚いたでしょう。ですが、私たちに敵意はありません。おとなしく我らに従っていただければ学園にも手は出さないと誓いましょう。あなたが望むことを我らにできる限りかなえると誓います。ですのでどうかー。」
そういうと手を差し出してきた。
(あぁ、いやだ。)
未来はこっそりため息をついた。
本当に嫌になる。
私はそんなに大切なもの?あなたたちと同じただの人間なのに?
この世界にいる人みんなそうだった。
いつも、いつもー。
そんなんだから何回も思うんだね。
もういいよ。あなたの好きにしていいよ。
でもおねがい。私のことを忘れてくれてもいい。
この人たちのことを殺してもいい。
すべてをなかったことにしてもいい。
でも、これだけはお願い。
「……わたしをみつけて。」
そうつぶやいて未来は閉じていた心のカギを解放した。
「……ねぇ、スキア。」
『何ですか、姫。』
「私夢でも見てるのかしら?」
首をこてんとかしげながら聞く姿は年相応のものだった。
軽口の一つでも叩こうかと考えたが目の前の状況を見てやめた。
『夢ではないと思いますよ。実際私にも見えてるわけですし。』
「あぁ、そっか。あなたたちって幻術きかないんだっけ?」
『よほど、低レベルな者たちならば効きますが、ほとんどのものは効きませんよ。』
「そっか。じゃあ、かなりやばいね。」
そうつぶやいた未来は本当にどうしたものかと考えた。
なにがどうしたかというと、目の前には敵の軍勢がいた。
軽く見積もっても10万人はいそうな感じだった。
つまるところ、一人でも多く自分のもとに集めたかったのだが、始めから全員が集まってるとは思ってもいなかったわけである。
「はじめまして、お姫様。」
一人どうしたものかと考えていた未来の耳に声が届いた。
その声の主を見て不思議に思った。
(若い……。それなのに魔導を極めた人みたいな雰囲気。)
そんな未来の考えなんて知らないというように男は丁寧に礼をしていった。
「私は、ザクロと申します。以後お見知りおきを。単身で乗り込んでこられてさぞ驚いたでしょう。ですが、私たちに敵意はありません。おとなしく我らに従っていただければ学園にも手は出さないと誓いましょう。あなたが望むことを我らにできる限りかなえると誓います。ですのでどうかー。」
そういうと手を差し出してきた。
(あぁ、いやだ。)
未来はこっそりため息をついた。
本当に嫌になる。
私はそんなに大切なもの?あなたたちと同じただの人間なのに?
この世界にいる人みんなそうだった。
いつも、いつもー。
そんなんだから何回も思うんだね。
もういいよ。あなたの好きにしていいよ。
でもおねがい。私のことを忘れてくれてもいい。
この人たちのことを殺してもいい。
すべてをなかったことにしてもいい。
でも、これだけはお願い。
「……わたしをみつけて。」
そうつぶやいて未来は閉じていた心のカギを解放した。