魔法使いの巫女少女Ⅰ

「おお！ついに目覚めたか！」
そう興奮気味に話す男がいた。
千里眼で未来が行ったことを見ていたようでその瞳は赤く染まっていた。
そして、未来がまっすぐこの部屋を目指していることに気づいて今か今かと落ち着きがない。
そんなときー。
ギギッと扉があく音がした。
そして、小さくしかししっかりとした佇まいで立っている少女がいた。
その後ろには従者だろうか、高身長の男が控えていた。
その姿を見て、男は感極まったように言った。
「おお！ようこそおいでくださいました。」
しかし、少女は冷めた瞳を向けて静かに言った。
「だまれ。」
その言葉を聞いて男の声が出なくなった。
（言霊か！？）
しゃべれなくなったことを確認して少女はひとり呟いた。
「貴方の顔を見るのは、これで何度目かしら。でもいつみてもイラつく顔ね。いい加減私の世界から消えてほしいくらいだわ。それに、いつまでも私のことつけたり監視したりしないでもらえないかしら。この上なく嫌な気分になるから。」
（それはできない。私のすべてがあなたなのだから。）
そう思うしか男にはできなかった。
『姫、ここは私が殺して差し上げましょう。』
そういってスキアは前に出た。
それをみて、未来はお願いといった。
これで全部終わり―。
そう思った時だった。
バンッ！と勢いよく扉が開いた。
そして、その先には未来が守りたいと願っていた少年・少女たちがいた。