生存税

プロローグ

生きるために条件は必要なのか。



誰でも生きれる世界はどこへ行ったのだろう。



例え、人殺しだって死刑にならない限り生きることができるのに。






人間ってそんなに脆いものだっただろうか。




過去に見ていた人間はそんなもので崩れるような人間じゃなかった。






いや、楽な世界にただ溺れていただけなのかもしれない。






平凡で何も試練がない世界に。





人間を玩具のように扱っていたのは、世界じゃなく、自分たちだった。









生きるという試練を乗り越えなければ見えない世界がある。







それを知ったのは、つい数日の事だった。