生存税


「これ、なんですけど。」


町から出ていった方がいい、なんてやっぱりなんらかの条件でこの件と繋がっているはずだ。



「..ああ、これですか...。」



上司の方が、ため息をついて部下に口元が見えないように覆ってひそひそと話した。
部下はその話を聞いて納得したように頷き、同じくため息をついた。



「これ、そんなにやばい奴なんですか?」


「..いえ。気にすることはありません。よくあるんですよ。」



そういって、紙を奪われびりびりに破かれた。



「ちょっ、破く必要は無いじゃないですか!?」


「単なるイタズラです。信じてもらっては困りますから。」



イタズラだとしても、人の物を勝手に破るなんて本当に大丈夫なのか...?


少し強引で手荒なまねに驚く隼。




「大丈夫です。私たちを信じてください。」




笑顔で手をとり、しっかりと握られた。

ここまで言われると、多少断りにくくなり、隼は小さく頷いた。
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