生存税
「...ん。」
もう、夜は明けたようだ。
カーテンの隙間から、日差しがあてられる。
「グレン、おは...」
おはよう。
そう挨拶しようと、寝返りを打つと、隣にいたはずのグレンは既に消えていた。
だいぶ優柔不断な奴なのは承知している。
だかこうも、簡単に勝手に帰られるとこっちも困るばかりだ。
どうせ、事が落ち着いて家に帰っているのだろう、と隼は二度寝することにした。
瞼を閉じ昨日の描写を脳内に浮かべてみる。
グレンの正体を聞きたいばかりに問い詰めてみると、何か違和感を感じた。
普段のグレンとは違う。
オーラから、なにやら全部。
聞くに聞けないまま、謎が深まりつつあるこの現状で、悩みは増え続けるばかり。
フルネームは?どこに住んでいるの?古坂町ってなんなの?
色々聞きたいことは山ほどある。
「次に合った時こそは、確実に聞き出さないと。」
少しでも彼に近づける為なら、正直どんな事でも俺は知りたい。