生存税


「「払うか払わないかは隼が決めることだから、僕は何も言わない。」」



この言葉が、引っかかりすぎて何事にも集中できなかった。
言葉を濁らせる必要性は、どこにあったのか。 


払わなかった代償として、グレンに何が起きたのか。



本当は、教えてほしかった。



でも、それはグレンにとっては理不尽なことなのかもしれない。グレンからしてみれば、なにも知らないで、税金を払わなかった為に執行された処罰。



僕は、その処罰の内容を聞いてから判断するなんて最も罪深いことだ。


だから、僕はその処罰の内容を素直に聞くことはできなかった。



でも、何より、確認することが、今重要な事なのかも知れない。




きっともう、税金は通帳から引かれているはずだ。




それをこの目で見て、確かめる。




それで、決めればいい。

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