生存税
気のせいと処理することは十分できる。
たまたますれ違わなかっただけ。
現にチラシとこの手紙が届いているわけだから、どこかに人間の存在はある。
でも、昨日今日だからこそ知らないなにかがこの町にある。
そうするとすれば..。
この手紙は、僕を助けようとしているのか。
それとも逆に脅しをかけているのか。
差出人不明では、元も子もない。
その理由がなければ、疑問ばかり浮かぶだけで。
「...大丈夫、だよね。」
家の中へ戻り、その白い紙を机の隅へと放り投げた。
きっと、子供たちのイタズラ。
そう心に捕らえて忘れる為にも。