魔法科高等学校a組
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「あなたには婚約者を用意しました。来週から、その方と同じ学校で魔法を学びなさい。」
「…………え。」
お祖母様の言葉が頭の中で混ざり合う。
理解できない。
そんな顔をわたしはしていたのだろう。
お祖母様は一息つき、呆れた顔をする。
そのせいで、嫌な汗が首筋を伝う。
「…なにをしているのです。榊原の家のものならばしっかりと返事をしなさい。」
「でも、転校までは…」
今の学校で十分勉強はできている。
友達だっていて楽しい毎日を送っていた。
魔法をもつものがあまりいない学校だけれど、家ではきちんと稽古をしている。
急に転校何ていうお祖母様の意図がわたしにはわからなかった。
「…返事をしなさいと言っているのです。
私に逆らうならば篠咲の名を名乗る資格はありません。」
白髪交じりの髪に今ではシワが増えてきた。
それなのに、妙な威圧感と顔の整いにまだ若さを感じる。
「…申し訳…ございませんでした。」
「わかったならいいのです。
相手は那月家の次男。申しぶんはないでしょう。」
「…次男…」
普通は長男が後継者。