魔法科高等学校a組
本当は、はっきりと嫌だと伝えたい。
婚約のことだって、今回初めて知った。
相手の顔も性格も年齢もわからない。
けれど、母も、父も、兄弟もいない私にとって家族と呼べるのはお祖母様だけ。
篠咲の名を捨てることに抵抗はない。
でも家族と呼べる人が居なくなるのはいやだから。
__わたしはお祖母様にしたがうしかない。
一礼をして部屋を出る。
その瞬間空気が変わり、緊張と、不安と悲しみから抜け出した気分。
「これも、魔法…?……なーんてね。」