魔法科高等学校a組
傷ついた身体
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「……篠咲?」
「あ…身体…大丈夫?痛いとこ…」
「……平気。」
…平気なわけないじゃん!
表の傷は治したけど、全部は治せてないもん。
痛くないわけがないんだから。
「ここ、あんたの部屋?」
「……そうだけど。…あんま見ないで!」
そう言うと、意味がわからなさそうな顔をする。
「……これ、私の趣味じゃないから。」
「ふーん。…まあ、合わないな。」
「知ってる!」
合わないのは知ってるけど、面と言われたらなんかむかつく!
__ドンドン
「…え…誰?」
ドアノブに手をかけようとした時、私の視界は回り、口は塞がれる。
「え…なに?早く出ないと…んっ、」
解放されたと思った口は、またもや那月くんの手により塞がれ、もう片方の人差し指を自分の唇にそえる。
黙れっていうこと?
「いませんね。どうしますか?」
「寮に戻ったことは間違いない。
自分の部屋にいないとわかったら誰かがかくまってるしかない。」
「他の部屋にいなかったってことは…」
「ああ。この部屋にいる。」
私の声でも、那月くんの声でもない。
ドア越しに微かに聞こえる男たちの声。
「寮長から鍵をもらってこあ。この学園は私たちには逆らえん。」
ドタバタと足音が遠ざかる。
でも、まだ一人いる……