笑って、なんて。
自分から聞いておいて無愛想な返答をしてしまった。
失礼だと自分でも感じた。
「昔からここでずっと何かあると絵を描いていたんだ」
「絵を?じゃあ今も?」
「うん。そうだよ」
少年の手にあるスケッチブックを覗き込んで見た。
「すごい!すごい上手」
少女はあまりの上手さに驚いた。
そこに描かれていたものは、ここから見える美しい夕日と街だった。
プロなんじゃないかと思うくらい細かい線まで綿密だった。
「そんなに大した物じゃないよ。きみの歌声の方がすごいよ」
「ううん。本当に上手。細かい線も丁寧に描かれていて、まるで線が生きているみたい!」
われながらびっくりするコメントだ。
「はは、きみ面白いね」
今度は無邪気に笑った。
その笑顔に少しムカッときた。
だけどもう一度見たいと思った。
「…歌爽 千歳(ウタザワ チトセ)」
「え?」
小さな声で自分の名前を言う。
「きみじゃなくて歌爽 千歳!私の名前です」
「いい名前だね。よろしく、千歳ちゃん」
嬉しそうな顔で私の名前を呼ぶ。
「よろしくお願いします。えっと…」
「千白描 爽晴」
「あ、よろしくです。千白描さん」
失礼だと自分でも感じた。
「昔からここでずっと何かあると絵を描いていたんだ」
「絵を?じゃあ今も?」
「うん。そうだよ」
少年の手にあるスケッチブックを覗き込んで見た。
「すごい!すごい上手」
少女はあまりの上手さに驚いた。
そこに描かれていたものは、ここから見える美しい夕日と街だった。
プロなんじゃないかと思うくらい細かい線まで綿密だった。
「そんなに大した物じゃないよ。きみの歌声の方がすごいよ」
「ううん。本当に上手。細かい線も丁寧に描かれていて、まるで線が生きているみたい!」
われながらびっくりするコメントだ。
「はは、きみ面白いね」
今度は無邪気に笑った。
その笑顔に少しムカッときた。
だけどもう一度見たいと思った。
「…歌爽 千歳(ウタザワ チトセ)」
「え?」
小さな声で自分の名前を言う。
「きみじゃなくて歌爽 千歳!私の名前です」
「いい名前だね。よろしく、千歳ちゃん」
嬉しそうな顔で私の名前を呼ぶ。
「よろしくお願いします。えっと…」
「千白描 爽晴」
「あ、よろしくです。千白描さん」