笑って、なんて。

秘密

あれから数日経ち、とうとう学校が始まった。


憂鬱な気持ちを隠し、教室のドアを開ける。


クラスのみんなは友達と仲良く話していてこちらに気づく気配がなかった。


気づいたとしてもきっと挨拶なんてものはしないだろう。


まあ、気づいてくれないほうが良かったりする。


窓際の一番後ろの席に腰を下ろしたと同時にチャイムが鳴る。


騒がしかった教室はチャイムの音で静まった。


そして、先生が教室に入ってきた。



「みんな久しぶりだなー！どうだ、夏休みは満喫できたか？」



担任の田中　秀樹(ﾀﾅｶ ﾋﾃﾞｷ)先生が教卓の前に立ち、生徒と長々会話をする。


そんな中、私はポケットからスマホを取り出し、ツイッターを開く。


本当は休み時間のみだけが許されるがそんなことは気にせずソウ君のツイートを見た。


そういえば、色々あってまだ新作を聞けていなかった。


流石にイヤホンをつけるとばれてしまうので後で聴こう。


スマホの画面から目を離すとほとんどの人が体育館へ移動していた。


自分も椅子から立ち上がり、体育館へ向う。


廊下を歩く無数の足音、笑いの絶えない話声。


全てが雑音にしか聞こえなかった。
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