笑って、なんて。
最後まで歌い切り気持ちが少し楽になる。



「…歌、上手だね」



突然、後ろから聞こえてくる声。


ふり返ってみるとそこには背が高くて爽やかな高校生ぐらいの少年が立っていた。



「先着の人がいたなんてびっくりだな。ここ凄く綺麗な場所だよね」



「だ、誰ですか…!」



まさか人がいるなんて思っていなかった少女は驚いた顔をする。



「あ、ごめんね。僕、千白描 爽晴(チサカ ソウハ)です。君の名前は?」



爽晴って名前、ソウ君と一緒で名前に『そう』が入ってる。


雰囲気も少し似てる気がする。



「み、見知らぬ人に教える必要がないです!何ですか?ナンパですか!?そ、それに人が歌っているのを勝手に聴くなんて!無神経にもほどがあります…!」
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