笑って、なんて。
納得のいく歌が出来た頃にはすでに夕方になっていた。


そういえば昨日の人またあの場所にいるって言ってたけど…いるのかな…?


行ってみようかな。


…別にあの人がいるからっていう理由で行くんじゃなくてただあの場所がきれいだなって思ったからだ。


私服に着替え、ノートパソコンを持って近くの駅へ向かった。


昨日来た時間は夕方の6時30分。


今は5時過ぎだった。


30分ほど電車に揺られ目的地に着いた。


駅の近くに、昨日行った場所があるのだが少し歩かなければいけない距離だった。



「あ、いる…」



そこには昨日いた少年が芝生に座って絵を描いていた。


近くまでいってやっとこちらに気づく。



「来てくれたんだ!嬉しい」



ふわっと微笑む少年。



「景色が見たかっただけです。昨日より来るの早くないですか」



「いつもはこの時間帯なんだ。昨日は色々あって」



「いつからこの場所知ってるんですか?」



「6歳の時ぐらいかな」



「ふーん」
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