ひとつだけ
「ケンタ!ケンタ!やだ!目をあけてよ!」
アミちゃんのこえがとおくにきこえる。
なんだろう。
いっしょうけんめい、めをあけようとしてるのに、ちっともめがあかないや。
なんだかとってもまぶたがおもい。
このままもうねむってしまいたいんだ。
「ヤダ、ケンタ死なないで!」
え……、ボクしんじゃうの?
ウソだよ。
まだまだあみちゃんといるんだよ。
「亜美、しょうがないのよ」
「ヤダ!!なによ、しょうがないって。ね、ケンタ。まだ一緒にいるんだよね?」
うん!そうだよ。
ヤダよ、ボクだって!
しにたくない!
「ケンタ~!」
あみちゃんのこえがボクのむねをぎゅっとしめつける。
ああでももうホントにねむいんだ。
ボクね、あみちゃんとずっといっしょにいたかったな。
あみちゃん。あみちゃん。
だいすきあみちゃん。
ずっとずっとだいすきだよ、あみちゃん。