アオハル紙飛行機






崩れ落ちそうな私は窓の枠でなんとか身体を支える。無意識にこぼれ落ちる涙を拭う力など今の私にはない。






そして、数歩進んでいた青井くんが不意に私達の方へ振り返る。

“長い長い長い片想い”をする私を悲しげな瞳で見つめる。そっと青井くんの弱さが垣間見えた。











『──・・・“安田さん”が、鍵をポケットにしまって失くすような人じゃないってことくらい、俺は知ってるつもりだったよ』


「っ、ごめ、・・・ごめんなさいっ、」










青井くんはたったそれだけを私の目を見て告げた。ほんの少し泣きそうに、悲しそうに微笑むと、さっさと彼女の元へ行ってしまった。








長い長い長い長い片想いは、人を、こじらせてしまうらしい。






羨望の先の
───────

嫉妬に
───────

境界線を
───────

張れ
───────





< 102 / 421 >

この作品をシェア

pagetop