アオハル紙飛行機






暇さえあれば「カップル滅びろ」とかほざいてるので安易に今のアオは想像できた。こうなるとなんともこいつはめんどくさい。





全く似合いもしない不良を真似ているが、良いとこの坊ちゃんが何とかして反抗心見せたくて強がってるようにしか見えないけど。








「依頼なんだから仕方ないでしょ」

『これだからハルは馬鹿で困るぜ』

「その口調より一層腹立つからやめて」

『ジャンケンボーイは依頼に必要な紙飛行機を作ってきてないだろ』








なんて心底勝ち誇ったようにドヤ顔する身も心も小さい情けない男。ほんっとこいつが人気な意味が皆目検討もつかない。世の中腐ってる。







そんな人を貶めるようなことしか考えてない最低野郎の考えは、純情純粋真っ直ぐジャンケンボーイには無意味だったらしい。彼は少し照れたようにポケットからそれを取り出した。







『あの、実は作ってきてるんだ』

『あ?だったら見せてみろ』

『普通のじゃつまんないかなって思って』







そう言って彼が私達に右手を突き出して、その指が開かれる。その手の平にはとても小さな小さな紙飛行機。高クオリティーに精密で繊細なそれに私達は思わず見入る。








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