アオハル紙飛行機







彼は少し恥ずかしそうにしながらも前髪をくしゃりと右手で触れると視線を上げ、私達を射抜いた。










『・・・俺、本気で好きです・・・うん、大丈夫、なんか大丈夫なんじゃないかって思ってきた。俺、大丈夫だよね』

『いやそれはわかんないけど』

「アオまじで消えて」








彼は吹き出すように笑うと、エナメルバッグを背負って私達に頭を下げる。短髪に焼けた肌、程よくついた筋肉、爽やかな笑顔。いかにもスポーツ少年。








『なんかうじうじしてる自分が馬鹿に思えてきた。ありがとう、春井さん青井くん』

「いや、私達何も、」

『話聞いてくれただけで凄い助かったから。俺も2人みたいに彼女と仲良くなれるよう頑張る!じゃ』

「頑張っ・・・・・・え?」









バタン、と扉を閉められる前に声を届けるつもりが途中で固まる。思わず腕を回すアオの方へ視線を向けた。アオは何食わぬ顔で私を見て首を傾げている。









『どうした?』

「ジャンケンボーイ、絶対勘違いしてるよね?」







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