アオハル紙飛行機
『でさ、もちろんこっぴどく怒られるわけよ。親にもそいつらの親にも。保育園の先生にも』
「でしょうね」
『だけどそん時に、1人の保育園の先生が「かっこよかったよ」ってこっそり言ってくれて、嬉しくてもちろん改善の余地なしだよね』
私もあまりにも嬉しそうなアオの顔に釣られて笑ってしまう。
『・・・結局、最後には自分の身は自分で守んなきゃいけねーじゃん?』
「うん」
『うまく言えないけど、それが「できていましたよ」って言ってくれたように思えてさ。じゃあ俺はこれでいいやって』
「ありがとう」
『え、何が』
「その時の先生に御礼言ってる」
『頭おかしくなったの?』
「うっさいな!今のアオが居るのはその先生のおかげでしょ?今のアオが居るおかげで沢山の人が救われてますよってこと」
私の言葉にアオは暫くぽかん、とした後吹き出すように笑った。私もなんだか馬鹿馬鹿しくなって声を上げて笑う。
『ちょっとぉおおお!そこ2人!何笑ってんのよ!』
「『え?」』
突如、後ろから凄い怒号が鳴り響いて2人でビビりながら振り返ればバレー部のジャージ姿のまま仁王立ちする真琴。