アオハル紙飛行機
部記録その10
唐揚げのないお弁当はなんだか寂しい気がしなくもない
『あの、初めまして。静川 小梅〈しずかわ こうめ〉と申します。2年1組19番、料理部に所属しております。この度はいきなりの訪問申し訳ございません。本日はどうしてもアオハル部さんにお願いした、』
「おおおおおお落ち着いて静川さん、取り敢えず座ろっ、ろうかァッ」
『ハルが落ち着け』
頭を深々と下げる1人の女の子。おさげ頭に膝下スカートに分厚い眼鏡、真っ白な肌。そんな典型的な優等生、静川さんは私の言葉に頷き、1人掛けソファーに腰掛けた。
『あのですね、私、実はお恥ずかしいながら紙飛行機というものを折れなくてですね。代わりと言ってはなんですが、こちらを是非お2人で食べてくださればと思いまして』
「や、やけに言葉遣いがお綺麗でござるのですね、あはっ、私も見習わなくてもならないととても深く反省致してますです」
『取り敢えずハルは落ち着け』
静川さんはずっと両手で持っていた物を机の上に置き、風呂敷をといて重箱の蓋を開けた。そこには豪華な品々。