アオハル紙飛行機






私とアオはひたすら声に出して英語を読みながら書くを繰り返す。そこにわかりやすい山吹先輩の説明が入る、このような付け焼き刃である。





「あ、・・・アイウォンチュー・・・」

『春井さんはわかんなくなったらすぐにアイウォンチューに走るのやめようね』

『I having a gue・・・あばばばばば』

『青井くん諦めないで』

「むーりー」

『むーりー』





まだ5問しか解いていないのに私もアオも机に突っ伏して白目で泡を吹きそうな勢い。山吹先輩は長い長い溜息を零し、机の上に乱雑に散らばる教科書を手に取る。




『じゃ、一旦英語は終わりで、休憩がてらに世界史やろうか』

「わーい休憩ー!・・・え?世界史?」

『山吹先輩は休憩をなんだと思ってるんですか』

『(なんで俺が責められるの)』





私とアオは眉間にシワを寄せて山吹先輩を睨む。山吹先輩は決して悪くない。悪いのは私達の頭だけなのだ。



山吹先輩はなんとか私達を宥めながら世界史の問題を出し始める。


アオは頭がおかしくなったのが身体を小刻みに揺らして、山吹先輩の質問する声にノリノリになっている。壊れた。ぶっ壊れた。






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