アオハル紙飛行機
『試験前になると死神のように付きまとってきて、勉強ができなくなるから、結果として成績が落ちるかららしいよ』
「・・・言えてる」
『いやでもその割に俺らの成績伸びてなくね?』
「それも言えてる」
故原くんは楽しそうにケタケタ笑うから、ベロのピアスがキラキラ見える。夏子もやっとこさ元気を取り戻し、冷たい瞳で私達を見つめる。
『いやいや俺なんて下から20番目だからねーやばいよな』
『故原くんは全然やばくないよ』
『へ?』
『ね?青海、青井くん』
首を傾げる故原くんに向けていた視線をこちらに寄せた夏子。にっこりと微笑みながら私達を射抜く彼女は笑顔で私達に成績開示を要求してくる。
「・・・し、下から3番目デス」
『4番目』
『青井くん、それは上から?下から?』
『間違いなく下から』
『え!紫春、上からじゃなかったの?』
『間違いなく下から』
驚いたような声を出す故原くん。アオはさっきのように番号だけを言っていたのだろう。
夏子は頭を抱えて私達にスマホの画面を突きつける。それを2人で覗き込めば、私とアオの名前と他数人の名前が書いてある。
『再試、頑張ってね』
アオハル部は1週間活動休止になったのは言うまでもない。
なんとかなるって
───────────
言ってる奴が
───────────
なんとかなったことは
───────────
そんなにない
───────────