アオハル紙飛行機








「私だって“春井”って語尾上げてほしいのに勝手にアンタが下げやがるから春井らしくなくなるんだよ。」

『そもそもお前本当はカニクリームコロッケC定食みたいなのが本名なんじゃねーの』

「ふっざけんな。だったらお前はイヤフォンコード絡まって結ばれてる謎部分だ!」

『いやどういうことだよ』










ギギギギ、と両者譲ることなくもう赤くなってしまった頬を更につまんで引っ張る。






そこにまた夏子の「イントネーションとかどうでよくない?」という冷静な声が私達の憤慨した頭にさりげなく入り込む。今回は更に「俺も思った」なんて故原くんのお返事付きである。










「おひゃへふぁほんひょうひふかふぐ!」

『ふひゃへふにゃ!おへはっへふかふひへんひゃ!』







あまりにも引っ張り合い過ぎてもう日本語が話せていない。お互い涙目の中、未だに幼稚園児の喧嘩は続く。




意味がわからない言葉の飛び合いにけたけた笑い声が聞こえたかと思えば故原くんが笑顔のまま一言。







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