アオハル紙飛行機
オカルト部員さんが扉を閉めようとした瞬間、私達の後ろにいた設楽会長が扉の隙間に足を突っ込む。
『設楽 千桐、生徒会長だ。ここを開けろ』
『ハ、ハイ』
「(怖っ)」
先に入った設楽会長に続いて私達もオカルト部に入る。黒幕が窓に貼り付けられていて、入った途端薄暗い上に心底暑苦しい。夏の暑さにこれはきつい。
部屋にはそこら中にオカルトの本や人形、地図、一般人には到底理解できない物が散らばっている。
私達が部屋の奥に進んだ時には既に設楽会長が権力をふんだんに使ってオカルト部の部長に話をつけて、教室でよく使う馴染みのある椅子に座っていた。
馴染みがあるはずなのに設楽会長が座ると何故か違和感だ。あの人にはぴんぴかなソファーが似合う。
『テレビは移動が大変だからここで観ていって良いと許可をさせた』
「させたんですか、さすがですね」
律儀に設楽会長の隣に椅子が2人並べられていて、オカルト部員に御礼を言いながら座る。後ろからおどおど着いてきたアオも私の隣の椅子に怯えながら座る。
『じゃあ僕らはこれから化学室の除霊をするのでお好きに使ってください。これ、リモコンです』
「あ、ありがとうございます」
私にリモコンを預けると、オカルト部員達はそそくさと逃げるように出ていってしまった。半ば設楽会長から遠ざかるために。
私はテレビの電源が付いているのを確認して、何気なく再生ボタンを押すとどうやらディスクはもう既にセッティングされていたらしく予告が始まる。