アオハル紙飛行機







放課後、指導室でアオと2人、反省文を書いていればアオが思い出したように私に言う。





『これからどうすんの、部活』

「え?なんで?」





きょとんとする私に隣に座っているアオは唾を吐きそうな嫌な顔をして私を睨みつける。





『お前の愛しのゴリラが引退したら、もう部室必要ねーだろ』

「ああ、そういうことね。それなら問題ないよ。てか言ってなかったっけ?」

『は?何が』

「勝部先輩、大学で野球続けるから部活には今まで通り参加するんだって!」

『・・・・・・』





私の言葉に白目を向いたアオはそのまま机に突っ伏す。そして呪文のように「俺の今日の努力はなに」と呟き始める。気持ち悪いなあ。





『・・・もっと早く言えよ』

「うるさいなあ。ありがとうって言ったじゃんもういいじゃん」

『だからハルの“ありがとう”なんてカラスの鳴き声レベルだっつってんだろ』

「あんだと?」





反省文はなかなか終わらないのはきっとアオのせいである。






自転車の2人乗りは
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胸の音以上に
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バランスが大切
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