アオハル紙飛行機






アオと2人で南ちゃんに視線を向ける。彼女は明らかに切ってしまったであろう短さのスカートに人工的に染められた赤が強めの茶髪に、ピアスの穴。










『・・・だいぶサマーバケ、バケ・・・・・・、夏休み楽しんだっすね』

「アオ英語駄目なら最初から言おうとしないで」

『俺は失敗を恐れない主義なんだよ』

「その狂った頭を恐れるべき」









また喧嘩が勃発しそうになったところを「まあまあまあ」とにこにこな南ちゃんに止められる。そうだ今はあんな馬鹿相手してる暇ない。南ちゃんの話を聞かなきゃ。










「南ちゃん、なんかあったの?」

『いやそれがやばいんだよーマジで。この格好のままで始業式後の服装検査乗り切れると思う?』

『乗り切れたら服装検査って言わないと思う』

『あはははっ!青井くん最高、その通りだわーうん、やばいよね。どうしたらいいかな?』

「あ、その相談ってことね」

『もちろん。ガチで助けて』









南ちゃんはかなりやばい状況なのにも関わらずけたけた笑っている。つけまつ毛バッチリな瞳には茶色のカラコン、眉毛もなくなって好みの形に描かれている。爪も付け爪でお洒落にド派手な赤色だ。









「・・・高校生やめたら?」

『あっはー!それやばくないてか青海ちゃんひどくないー?ウケるでもめっちゃ名案』

『ハルお前友達ちゃんと居る?』

「いるわボケ!」









暫く考えたあとに真面目に答えたはずなのに。南ちゃんは相変わらず甲高い声で笑うだけだし、隣のアオは哀れんだ瞳で心配そうに私を見てくる。うざい。






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