アオハル紙飛行機
部記録その17
右折か左折か迷ったら直進すれば大体開き直れるがそこに直進がないのがオチ
『ソファーじゃ寝れねぇ・・・』
「うるさい、床で寝なよ」
『やだやだやだソファー小さえし固いし、俺はふかふかのベッドじゃないの寝れないの』
「帰れよ」
『冷た!冷水のようだなお前』
9月の半ばともなれば夏の暑さは尾を引いてはいるものの幾分マシである。野球部も夏の間はいつもグラウンドに水を撒いていたが、もうしていない。
私は本日も双眼鏡で勝部先輩を見つめる。しかし最近のかっこよさに耐えきれなくなってカメラを購入したのでそれで勝部先輩だけを写真に収めている。
コンコン、
その時、不意に部室の扉がノックされて2人で視線を向けるもどちらも動き出さない。
「アオ出て」
『はあ?動きたくない。ハル行けよ』
「私の方が動きたくない気持ち大きい」
『俺なんて一生ここに居たいレベル』
「今日もしも帰ったら炙るから」
『マイケルジョーダンだって』
コンコン、ともう1度扉がノックされてアオが面倒そうに舌打ちを零し、大きく息を吸い込んだ。