アオハル紙飛行機








答えのない迷宮に入り込んでもがく蓮見くんの言葉はそこで詰まった。どんなに難解な数学の問題を解けても、いくら天才でも、これだけは、この問題だけは、答えなんてはっきりと突き詰めることなんてできないのだと思う。







誰も、何も、悪くない。ただ狂ってしまっただけなんだ、何かが、どこかで。













『───・・・で、お前はどうすんの』











重たい空気を軽々しく破ったのは冷たい声を落とすアオ。2人でアオの方へ顔を向ければ、アオは冷めきった表情に微かに怒気を孕ませている。








『・・・俺は、どうにかしたいけど、どうにもできなくて、』

『どうにかしようと動いたこともないくせに?』

「アオ、」








嫌味ったらしく綺麗に笑うアオは、真っ直ぐ蓮見くんを射抜く。蓮見くんは、深く傷ついたような顔をして苦しそうに息を飲み込んだ。








『俺らならどうにかできると思ってここに来たの?部外者だし、先輩だし、使えるならこの人達だって?』

『そういうわけじゃ・・・、』








泣きそうになりながら必死で首を横に振る蓮見くんは私達に否定する前に必死で自分に否定しているように見える。






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