アオハル紙飛行機







『蓮見、どうする?』







アオの優しいくせに淡々とした問い掛けに、蓮見くんは涙をゴシゴシと拭って顔を上げた。真っ赤なその顔は情けないはずなのに、入ってきた時よりも随分清々しい顔をしていた。








『長瀬を、助けたい──俺が』








その言葉に、隣のアオは目尻を落としてほんの少し切なそうに泣きそうに微笑んで「そっか」と呟いた。









『ほんじゃ、明日のお昼休みまでに頑張れ』


「『え!?」』







アオはすぐに無表情になるとそれだけを吐き捨てて少女漫画を読み始める。それに目を見開く私と蓮見くんにアオは鬱陶しそうな顔をする。







「はあ!?今の流れはどう考えても一緒に頑張るところでしょ」

『は?なんで』

「最ッ低!なんなの!?あんだけカッコつけたこと言っといて、はあ?お前マジでなんなの!」

『お前さっきまで泣きそうだったのにうるせえな』

「クズ!!!」







腹が立ち過ぎて薄情過ぎて叩くのも嫌で中指を突き立てて怒号を浴びせる。アオは面倒そうに顔を顰めてスマホをいじりだした。






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