アオハル紙飛行機







『あ?聞こえねえんだけど、おいチビ』

『────・・・、』

『おいおいおい、は?お前らなんなの?時間の無駄になるようだったら本当にブチ切れるんだけど』








数と慣れきった威圧感に思わず全然関係ない私まで怯みそうになる。隣の蓮見くんは必死で何かを言おう言おうと溜め込んでは吐き出せずにいる。





そこで不意に思い出す昨日の心底腹が立つ究極に薄情で馬鹿で、最後は優しい奴の言葉。








「蓮見くん!」







大きく息を吸い込んで彼の名を呼んで隣の縮こまる背中を思いっきりバシン、と叩く。それに飛び上がる蓮見くんにそのまま彼の背筋が伸びるように先輩方を睨みつけたまま叫ぶ。








「“明日は呼び出した瞬間、思いっきり自分が馬鹿共に言いたい事ぶちまけろよ”!!!」








私のはアオと違って《馬鹿共》強調付きだ。どうだ私はヘタレ野郎とは違うんだぶわあーか!





いきなりの大声に少し驚いた先輩たちがぴくり、と眉を吊り上がらせた瞬間に蓮見くんがありったけの気持ちを込めて思いっきり叫んだ。











『お前らなんかより!長瀬の方が剣道つえーしかっけーし、悔しいからってしていい事と悪いことの見分けもつかねーのかよぶぁわああああーかッッッ!!!』








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