アオハル紙飛行機






私達はさっさと大人数を抜けて出る。今更凄い速さで脈打つ心臓にふらふらしそうになってアオの肩に腕を回す。背が高くてうざいので腹を殴ればジャストサイズ。






蓮見くんははらはらと涙を落とし始めるが、それを小突いたアオは、視線で蓮見くんに告げる。









『呼んではないからな、俺は。ただここに来る途中でアイツと鬼ごっこして逃げてきただけだからな』








堂々と馬鹿なことを言ってのけるアオに、そこに視線を辿らせていた蓮見くんは涙と鼻水でぐしゃぐしゃになりながら笑った。










『アオハル部さん、本当に・・・ありがとうございます・・・!』










頭を下げた蓮見くんの頭に私とアオの手が乗る。それに驚いたように顔を上げる蓮見くん。








「蓮見くんかっこいー」

『俺の次にかっこいー』

「消えろサンドバッグ」

『まだ言うのかよ』







私達に泣きながら笑った蓮見くんはその顔のまま、長瀬くんの元へ走って行くと思いっきり抱きついた。






長瀬くんも、堪えていたものが蓮見くんを見て砕けたように崩壊した。









「待って、あれ長瀬くんで合ってるよね。この流れ長瀬くんだよね」

『知らない。体操着に長瀬って書いてあるから連れてきただけで、アイツがその長瀬なのかはわかんない』

「いや、合ってるけどさあれ絶対長瀬くんだけどさ、アンタ本当にリスク追うね。違う長瀬だったらどうすんのよ」

『──いや、長瀬ってすぐわかったよ』








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