アオハル紙飛行機










『俺とデートしてください・・・!!!』










故原くんの言葉にあんぐり口を開けた私とアオは信じられないものを見た時のようだ。

夏子も一瞬目を見開いたが、すぐにいつもの調子に戻る。逆にすごい、なんでそんなに冷静なの。





ガバアと頭を下げる故原くんに夏子の呆れた声が届く。







『いつ?』

『えっと、あ、あの、クリスマスイブ!』

「『(お前すげえとこにぶちこんだな!)」』








喉から出てしまいそうになった声をなんとか飲み込む。アオへと顔を向ければ奴も同じらしく、必死に耐えている。




あたふたしながら、頭真っ白ながらに頑張る故原くんとそれを高みの見物でもするかのように見下ろす夏子。







『ご、ごめん、やっぱりだめ?』

『いいよ』


「『(いいんかい!!!)」』







あぐう、と2人してまた言葉を飲み込み、口に手を覆う。夏子は返事をした後に私達のそれを見て、眉間にシワを寄せると無言のまま圧力を掛けてきた。







『わああああいっ!やった!やったよー紫春!春井ちゃん!』

「ごめん故原くんちょっとこっち来て」

『ん?』






ひゃっほう!と腕を突き上げてマリオジャンプを繰り出す故原くん。私とアオは慌てて手招きして呼び出すと夏子から遠ざける。





そして、会話が聞かれないように私とアオの間に故原くんを挟んで声を潜める。







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