アオハル紙飛行機







「休憩時間を平野ちゃんと被せたい」と懇願してきた故原くんのおかげで。2人制で休憩に入るシステムなので、必然的に故原くんと仲良しなアオと夏子と仲良しな私がその生贄となる。







「佳菜子ちゃんになんて言うの。泣いちゃうよ」

『明日休憩入った時にアイツんとこ行って言えばいいじゃん。あー・・・まあ、泣くな』

「女の子泣かせるなんて最低だわさすがだわ」

『俺が直接泣かせるわけじゃないから別にいいんですー』

「うっわークズの極みだよ。あんだけ好き好き言われてるくせに何言っちゃってんだか」






はん、と腹立った気持ちを隠しもせずアオを睨みつける。アオはそんな私をちらりと見て、呆れたように溜息をついた。






『明日俺が藤井と2人で回ったらハルはどうすんだよ』

「え?」






不意に吐露されたそれに思わず固まってアオを見上げる。そんなこと、全く考えていなかった私の横でこいつはそんなこと考えていたのか。




アオの真っ直ぐな瞳に見つめられて、固まったままの自分を叱咤して声を押し出す。







「いや、別にどうにでもなるけど、」

『へえー?』

「他にも回ってくれる友達、いないわけでもないし」

『──・・・そうやって言って、どうせ遠慮して1人で回るくせに?』








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