アオハル紙飛行機




というか、絶賛こじれ中なのか。クラスメイトらしい男子達は自分達で指鉄砲や輪投げで遊んでいるが、女子達は分裂している。いや、分裂ではなく、大人数対1人、だ。







『あっ、お客さんだー。すみません今なんか女子揉めてて。輪投げと指鉄砲ならできますよ!』

『いや、お前らあれ見て何とも思わねえの?』







私達に気づいて1人の男の子が楽しそうに笑いながら声を掛けてきた。

それに冷たく容赦ないアオの静かな声が振り下ろされる。それに、ビクッとした男の子はすぐに逃げ腰になる。






『いや、なんかいつもの事すぎてもうめんどくさいっつーか、最初は止めてたけど最近加速するばっかで俺らもう嫌になっちゃって、』

「何で揉めてるの?」








男の子は困ったように、未だ私達の存在に気づかずに揉めている女子軍団に視線を投げる。私とアオがしかめっ面になったのは、大勢に攻め込まれているたった1人が、佳菜子ちゃんだからだ。






『よくわかんないっす。なんかいつも藤井が口を出すと問題になるみたいで。早く終わんないかなって俺ら男子は待たされるだけなんで』






その何気ない言葉に、アオの眉間のシワがより深くなる。冷えきったアオの辛辣な瞳が男の子を突き刺すように注がれる。その声も然り。






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