アオハル紙飛行機






いつもだったら私もすぐに双眼鏡で勝部先輩を見つめる至福タイムが始まる。だが、今日はそんな気分になれず、ぐずっていたがアオの元に行く。ソファーに寝転ぶアオの前に仁王立ちする私。






『・・・んだよ、なんでそんな見てくんだよ』

そんな私に眉間にシワを寄せるアオ。

『まじで何!?怖いんだけど』





黙ったまま寝転ぶアオを見下ろしていた。次第にその冷めた眼差しにふつふつと怒りが滲み出てきて私は飛び跳ねるようにアオの足の上に座る。





『は?っ、いだっ!』





アオは痛そうに悲鳴を上げると私を蹴飛ばして退けようとする。しかし私の方が圧倒的に有利だ。アオの上に乗っかったまま溜息をつく。





「森さん・・・」

『どけよ』

「寂しいなあ」

『まずどけよ』

「アオは寂しくないの?」

『寂しいですはいどいて!』

「何その投げやり!」

『投げやりにさせてんのは誰だ重てーんだよどけよ』

「メレンゲのようだろ」

『わたあめじゃなかったのかよ』






私が少しお尻を浮かせれば、アオは慌てて足を引っ込める。ぼふっとソファーに座って背もたれに後頭部を預けて特に何も無い天井を見上げる。



アオは溜息をついて、少女漫画を机の上に置くとソファーの上で胡座をかいて私の様子を黙って見つめる。





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