アオハル紙飛行機








みんなの声に負けないくらい大きな声で叫んだ。けれど如何せん異常な人数が遠くにいる森さんに叫んだり騒いだりしているのだ。私の声が届いたかはわからな、




「!」




その時、ひょこっと私に向けられた手が現れた。




やけに白くて男子にしては細くて少し骨ばってて大きくて、だるそうな手のひらがてひらひらと私に手を振った。これは、見慣れた手、アオの手。





「ありがとう!」




そうもう1度叫べば、はいはい、とでも言うように手のひらがぐーぱーされる。





やっぱりアオだなあと思わず笑ってしまう。なんだかその手がやけに可愛くて。アオがこちらを見えないことを良い事にスマホで写真を撮ってしまった。





みんなに見送られながら森さんは満面の笑みでゆっくりと、ゆっくりと、私達とお別れをした。




誰もが当たり前のように森さんを知っている。たったそれだけのことに涙が出るくらい嬉しかった。









別れの時に相手との
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今までの関係性が
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1番よくわかる
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