アオハル紙飛行機








「はいはーいどちら様で・・・、」

『ここは、アオハル部で間違いないかな』






雷は突然、落ちる。扉を開けた先、目の前に広がるのは高校生とは思えぬ体格。制服の上からでもわかる肉体美。至近距離で初めてかち合った瞳はつぶらなくせに力強く、見下ろされるだけで心臓が鷲掴みにされる。





微動だにせず、呼吸すらしているのかわからない私に目の前の人物も、後ろの間抜け野郎も不思議そうに声を掛けてくる。






『あの、大丈夫?』

『おーい、ハルー、なに固まってんだよ』





固まる私に、不安そうな目の前の人物より先に痺れを切らしたのはアオで。溜息と共にグチグチ文句を垂れ流しながらこちらにやってくる。





『はあーめんどくせーもしかしてゴリラにでも石化されたのか・・・・・・、』






と、私の横に来て目の前の人物を捉えた瞬間アオも私と同じように固まった。多分2人とも思うことは同じ。




(なんでここに…!)



『あの、相談したいんだけど、いいかな?』






ピシャァアアン、と雷に撃たれた私とアオ。目の前で少し照れくさそうに肩身狭そうにはにかむ勝部先輩を見つめて、機械のように首を縦に振った。






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