アオハル紙飛行機
すると、アオはそんな私に瞳を細めて切なげに微笑む。私の髪に優しく触れて、それをそのまま私の耳にかける、と、
「、」
アオは、涙で赤らむ私の目元に僅かな緊張をひた隠しにした、その唇でキスを落とした。
頭が真っ白になった私に構わず、アオは瞳を閉じる。長い睫毛を微かに震わせながら幾度となく私の涙の痕跡を優しく吸い取るように、そこに口付けをする。
そうして、暫くキスを続けざまに行ったアオはゆっくり私から離れると窺うように瞼をあげて、真っ直ぐと私を見つめた。
『・・・止まった、だろ。』
「・・・・・・あ。」
本当に、私の涙は呆気なく止まっていた。アオに、止められた。
言われてから気づく。自分の目元に触れて、そういえばここに、キスを落とされたのだと実感し、ぶわ、と身体の中が異様な熱を孕む。
アオは珍しくそんな私に気づかないのか、私から離れると背中を向けた。
『保健室で保冷剤もらってくる』
「え?」
『涙は止まったけど、そのままじゃ明日化け物になるだろ』
こちらを見ずに相変わらずなアオの声に、私もすぐに反応する。
「私も、行く」
『いーやーだ。俺が泣かせたとか思われたら株落ちるじゃん』
「は、」
『ここで待ってろ。すぐ戻ってくるから』
そう言いながらさっさと部室の扉を開けるアオはやっぱり振り向いてくれない。気だるげなその背中に、そっと、声を掛けた。
「アオ、ありがと、」
『・・・あいよ』
そう言ってひらりひらり、とだるそうに持ち上がったアオの片手。そのままさっさと出ていくアオの後ろ姿を見つめながら、そっと、呟いた。
「・・・・・・耳、真っ赤っ赤」
今の私とアオにお揃いなのは真っ赤な耳だけ。
傘無しで雨の中歩くと
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走るか歩くか
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真剣に考え出してる間に
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家に着くやつ
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