アオハル紙飛行機
それなのに、絶えず笑ってしまうような楽しい話ばかり。お互い無理に話していることもなく、ただただ話したいことを話す。たったそれだけ。
『お、ラッキー。1時半からのすぐ観れそうじゃん』
「ほんとだ」
アオと話をしている間にすぐに映画館につく。チケットとポップコーンと飲み物を買い、すぐに開場されたのでシアター内に足を運ぶ。
「キャラメル味食べる?」
『食べる。はい塩味あげる』
「ちょっ、鼻に入れようとすんなばか」
『ごめん口かと思った。あばっ、ばかばかばか目は反則!』
「ごっめーん口かと思った」
『ここだここだ!ここにアオくんのポッピーでソーキュートなぷっくらお口があるだろうが』
「消えて」
2人でポップコーンを口には入れず目や鼻に入れようとして喧嘩になる。クリスマスということもあって、一般の人達もそれなりに入ってくる。
まだ予告も始まっていないので2人でひそひそ話をして、いつの間にか笑ってはいけない勝負が始まる。
『ハル、見て見て』
「え?あっ、・・・ふう、危な」
『ちっ、笑えよ。俺が身体張った意味』
「アオアオ」
『あ?・・・あー・・・・・・ふはっ!』
「いえーい」
『ねえずるいそれは反則!』
2人で3D眼鏡やシャーペン、使えるものは何でも使ってふざける。耳にシャーペンを突っ込んで3D眼鏡を掛けて真顔な私にアオは堪えきれなくなったように吹き出した。
と、私達の前の席でイチャイチャしているカップルを見つけたアオは一気に不機嫌になる。めちゃくちゃ弱そうなチンピラもどきになる。